織り込み都都逸傑作選
<お花見>{お・は・な・み}
オンザロックか ハイボールでも 何はともあれ 水割りを さんらく亭
俺おれ詐欺の 犯行見破る 浪速のオバチャン 見事です 夕陽
大阪おなごは 働き者で 情けがあって 魅力的 さんらく亭
思い出話に 花が咲いたよ 懐かしいねと みな笑顔 季寿
大きく綺麗な 白鳥になる 泣かずに耐えた 醜い子 夕陽
お伽噺は ハッピーエンド 懐かしいなあ みんな好き さんらく亭
お祓い受けに 姑と一緒に 泣く子あやして 宮参り 季寿
拝んで見ても 祓い受けても 何故か願いが 稔らない mitu
お手玉おはじき 羽根つき鞠つき 縄跳び綾取り 見なくなり 夕陽
お待たせしたねと 春の到来 名残の雪に 見送られ 夕陽
オーソレミオなど 鼻歌まじり ナポリを発って ミラノ行き さんらく亭
思うようには 捗らなくて 何も売れずに 店仕舞い 季寿
大阪名所 八百八橋 なんぼあるのか 見てみたい さんらく亭
お天気も良く 春は盛りだ 菜の花絨毯 見事なり mitu
おんぶに抱っこ 這い這いしたよ 涙流して みな拍手 mitu
大関旨いし 白鶴も良い 灘の酒なら 皆よろし さんらく亭
女年ごろ 逸る心を 何とかしたい 三十路過ぎ 季寿
お客も多く 繁昌してた 納得出来ぬ 店仕舞い 季寿
落ちぶれ果てて 橋下住まい 名前を隠し 身をひそめ 山人
おらが見染めた 花嫁御寮 中味で勝負 見映えより 山人
美味しい寿司だ ハマチにマグロ 並んでいたの みな食べた 山人
尾瀬の原にも 春が来ました 並んで咲いた ミズバショウ 山人
お国訛りで 話が弾む 懐かしんでる みなの顔 山人
お手手つないで ハイキングだよ 名札を胸に みんなつけ 山人
お使い行って 走ってこけた なんと卵が みな割れた 山人
お別れですと 花束捧げ 涙ながらに 見送った 山人
踊って歌って はしゃいで騒ぎ 仲間の宴会 水入らず 山人